『7つの習慣』スティーブン・R・コヴィー著

第1の習慣：主体的である

この習慣の鍵は、自分の人生の責任を取ることです。コヴィーは「刺激と反応の間には自由がある」と述べています。私たちは環境や他人の言動に反応するだけでなく、自ら選択する力を持っています。主体的であるとは、自分の価値観に基づいて行動し、外部の状況に左右されない心構えを持つことです。例えば、難しい状況に直面しても「何ができるか？」と考え、自らの力で解決策を見つける姿勢が求められます。

第2の習慣：終わりを思い描くことから始める

ここでは「人生の目的を明確にすること」がテーマです。コヴィーは、人生を一つの旅に例え、そのゴールを明確にする必要性を説いています。この習慣の実践には、自分の人生の使命や価値観を言葉にする「ミッション・ステートメント（人生の指針）」を作ることが含まれます。終わりを意識することで、日々の行動が目標に向かって一貫性を持つようになります。

第3の習慣：最優先事項を優先する

時間管理に関する習慣であり、自分のエネルギーや時間を「本当に重要なこと」に集中させる方法です。コヴィーは、「緊急ではないが重要なこと」に時間を投資するべきだと提言しています。これにより、長期的な目標を達成しやすくなります。具体的には、自分のスケジュールを振り返り、価値観に沿った優先順位を設定することが求められます。

第4の習慣：Win-Winを考える

この習慣は、人間関係や交渉において「自分も相手も満足する解決策を追求する」姿勢を持つことです。コヴィーは、人生を「パイを分け合う」競争と考えるのではなく、共に協力してパイを大きくするアプローチを提案しています。Win-Winのマインドセットを持つことで、信頼関係を築き、持続可能な成果を生み出すことが可能になります。

第5の習慣：まず理解に徹し、そして理解される

コミュニケーションにおいて、まず相手の話に耳を傾ける重要性を説いています。多くの人が「理解されること」を優先しがちですが、相手の意見や感情を理解しようとする姿勢こそが信頼関係の土台を築きます。コヴィーは、「共感による傾聴」を推奨しており、相手の視点に立つことでより深い対話が生まれると述べています。

第6の習慣：シナジーを創り出す

シナジーとは、協力や相互作用によって、単独では得られない結果を生み出すことを指します。この習慣では、違いを受け入れ、それを強みとして活かす考え方を学びます。異なる背景や意見を持つ人々と協力することで、1＋1が3にも4にもなる成果を達成できるのです。

第7の習慣：刃を研ぐ

最後の習慣は「自己成長とリフレッシュ」に焦点を当てています。ここでの「刃を研ぐ」とは、肉体、精神、知性、社会・情緒という4つの側面でバランスよく自己を磨き続けることを意味します。例えば、運動や学習、家族との交流を通じて自分を高めることが推奨されています。この習慣を実践することで、他の6つの習慣も効果的に維持できるようになります。